「ありがとう」を伝えるだけで変わる夫婦関係 〜セックスレスの改善を目指して〜
「最近、パートナーとのスキンシップがなくなった」「会話はするけど、心がすれ違っている気がする」「セックスレスが続いていて、もう夫婦って感じがしない」——こんな悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか。
実は、そんな状態から抜け出すための第一歩が、「ありがとう」という、たった一言から始まるかもしれないのです。
この記事では、セックスレスに悩む夫婦が「ありがとう」を伝えることから関係を再構築していく方法について、具体例を交えながらお伝えします。親しみやすく、実践しやすい内容を意識して綴っています。どうぞ、ゆっくり読んでみてください。
セックスレスの正体とは?
まず、そもそも「セックスレス」とはどういう状態なのかを確認しましょう。
日本性科学会によると、セックスレスとは「1カ月以上性交渉がない状態」を指します。しかし、問題は頻度だけではありません。「気持ちが離れている」「触れ合うことに抵抗がある」といった精神的な距離も、深刻なセックスレスの要因になります。
理由は人それぞれです。
- 育児や仕事で疲れ果てている
- 体の変化やコンプレックス
- パートナーに対する不満や信頼の欠如
- 倦怠期
特に、感謝やねぎらいの言葉がない関係では、相手との関係が単なる「同居人」のようになってしまいがちです。
「ありがとう」の持つ力
「ありがとう」と言われて、嫌な気持ちになる人はいません。
それは相手の存在を認めている、価値を感じている、というメッセージを無言で伝えるからです。
セックスレスになってしまうと、お互いを「異性」として見ることが難しくなってきます。でも、日々の中で「ありがとう」を積み重ねることで、「大切にされている」「ちゃんと見てくれている」という安心感や信頼感が少しずつ育ちます。
そしてその信頼感が、心と体の距離を縮める大きなきっかけになるのです。
感謝の伝え方、こんなに簡単!
では、具体的にどんなふうに「ありがとう」を伝えていけばよいのでしょうか。
1. 小さなことから始める
- 洗濯してくれてありがとう
- 子どもの送り迎え、助かるよ。ありがとう
- お疲れさま、今日もありがとう
日常の中のほんの一コマでOK。とにかく「してくれたこと」に目を向けて、口に出してみましょう。
2. タイミングを逃さない
感謝は「思ったとき」に伝えるのがベスト。時間がたつと、気持ちも薄れてしまいます。
例えば、料理を食べ終わったあとに「おいしかった!ありがとう」、帰宅して玄関で「迎えてくれてありがとう」など、その場ですぐに伝えるのがポイントです。
3. スマホでもOK!
口に出すのが照れくさいという人は、LINEやメッセージで「ありがとう」と伝えるのもありです。
「お昼ご飯の準備ありがとう」「昨日は疲れてただろうに、洗い物してくれて感謝してるよ」など、文字にすることで自分の気持ちを整理することもできます。
セックスレスからの脱却、実例紹介
ここでは実際に「ありがとう」を意識することで、セックスレスの関係が改善された夫婦のエピソードを紹介します。
ケース1:育児に追われる妻と、気を遣えない夫
結婚6年目、小さな子どもが二人いるAさん夫婦。セックスは3年以上なかったそうです。
妻:「毎日バタバタで、夫が帰ってきてもイライラしてしまう。疲れてるって分かってるけど、何もしてくれないことに不満があった」
夫:「何をしても文句を言われるし、関わらない方がいいと思っていた」
そんなとき、夫がある日「いつもありがとう、家のこと全部やってくれてすごいよ」とポロッと口にしたそうです。それをきっかけに、妻も「実はあなたが黙ってゴミ出してくれてるの、気づいてた。ありがとう」と返せるように。
それから毎日、意識して「ありがとう」を言うようにしたところ、自然と会話も増え、気づけば1年ぶりに手をつなぎ、その翌月にはセックスも再開。
「無理に誘うんじゃなくて、気持ちが近づいたから自然とそうなった」とのことです。
ケース2:すれ違い続きの共働き夫婦
共働きで多忙なBさん夫婦は、同じ家に住んでいても会話はほとんどなく、3年近くセックスレス。
妻:「夜遅くまで働いて、帰っても『おかえり』も『ありがとう』もない。存在が空気のように思えてた」
あるとき、夫がふと「今日も遅くまでお疲れさま。君が頑張ってくれてるおかげで助かってる」とメッセージを送ったことから、流れが変わりました。
それまでそっけなかった妻が、その一言に泣いたそうです。
その日を境に、少しずつお互いの生活や感情を話すようになり、数カ月後には「久しぶりに手を握ったとき、泣きそうになった」と語っています。
「ありがとう」を続けるコツ
最初は照れくさいかもしれません。でも続けていくと、少しずつ関係がほぐれていきます。以下のポイントを参考にしてみてください。
- 1日1回は必ず「ありがとう」を言うルールを作る
- 感謝を伝えたら、見返りを求めない
- 相手の反応が薄くても気にしない
- 記念日や誕生日などには手紙を書くのもおすすめ
セックスレスの改善は「愛情の循環」から
セックスレスは、単なる行為の問題ではなく、「気持ちのすれ違い」「安心感の欠如」が根本にあることが多いです。
「ありがとう」は、相手への敬意と愛情を言葉にする魔法のような一言。毎日積み重ねることで、お互いの心が少しずつほぐれていき、信頼関係が育ちます。
そこから自然と、心と体の距離も縮まっていくのです。
おわりに
夫婦関係の悩みは、誰にも言えず一人で抱えてしまいがちです。でも、ほんの少しの勇気と工夫で、その関係は大きく変わっていく可能性があります。
「ありがとう」は、その一歩目です。
照れくさくても、今から、今日から、一言伝えてみてください。
「ありがとう」から始まる、新しい関係の形が、きっとそこにあるはずです。