IUD(子宮内避妊器具)とは?種類と特徴をわかりやすく解説!
避妊の方法にはさまざまな種類がありますが、その中でも「長期間、確実に避妊したい」「毎日何かを飲んだり使ったりするのが面倒」という人にぴったりなのが**IUD(子宮内避妊器具)**です。
でも、名前は聞いたことあるけど「痛そう…」「仕組みがよくわからない」「どんな種類があるの?」と不安に思っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、IUDの基本情報から種類ごとの特徴、メリット・デメリット、気になる痛みや費用、注意点まで、親しみやすく丁寧にご紹介していきます。
そもそもIUD(子宮内避妊器具)ってなに?
IUDとは、「Intrauterine Device(子宮内器具)」の略で、子宮の中に小さな器具を入れて、妊娠を防ぐための医療器具のことです。
形は小さなT字型やY字型などで、柔らかいプラスチックでできています。サイズはだいたい3センチほど。意外と小さいんです。
この器具を婦人科で医師に装着してもらうことで、長期間にわたって避妊効果が得られるというのがIUDの特徴です。
IUDは、薬のように毎日飲む必要がないため、「つけっぱなしで避妊できる」という便利さが魅力。
IUDの仕組みってどうなってるの?
IUDが避妊を可能にする仕組みは、種類によって少し違いますが、主に次のような働きがあります:
- 子宮内に異物を入れることで、受精卵が着床しにくくなる
- 精子の動きを妨げて、卵子と出会いにくくする
- ホルモンを放出するタイプでは、子宮内膜を薄くして受精卵が育ちにくい環境を作る
つまり、受精を防いだり、受精しても妊娠に至らないように働きかけるのです。
IUDの種類は大きく分けて2つ!
IUDには大きく分けて次の2種類があります。
1. 銅付きIUD(Copper IUD)
銅製のワイヤーが巻かれたタイプ。代表的なのは「ノバT」などです。
特徴:
- 銅が精子の運動を妨げ、受精しにくくする
- ホルモンを使っていないので、ホルモンの副作用がない
- 装着後すぐに効果がある
- 一度装着すれば5~10年間避妊効果が続く
向いている人:
- ホルモンの影響を避けたい人
- 長期間避妊したい人
注意点:
- 月経が少し重くなる、経血量が増える可能性あり
2. ホルモン付きIUD(ミレーナなど)
黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を少量ずつ放出するタイプです。
特徴:
- 子宮内膜を薄くして、受精卵が着床しにくい環境をつくる
- 精子の進入や運動を抑える
- 月経量が減る、あるいは無くなることもある
- 最大5年間効果が持続
向いている人:
- 月経過多や生理痛に悩んでいる人
- ピルが合わない人
注意点:
- ホルモンによる副作用(頭痛、ニキビ、不正出血など)がまれにある
IUDのメリットってなに?
IUDを使うことで得られるメリットはたくさんあります。
✅ 高い避妊効果
避妊の失敗率は**0.1~0.8%**と非常に低く、ピルよりも確実に近い避妊ができます。
✅ 一度装着すれば手間いらず
つけたあとは基本的に何もする必要がなく、うっかり忘れもなし!
✅ 長期間効果が持続
1回の装着で5〜10年使えるので、コスパも良好。
✅ ホルモンタイプは生理トラブルも緩和
ミレーナのようなホルモンIUDは月経過多、生理痛、不正出血にも効果があります。
では、デメリットは?
もちろん良いことばかりではなく、いくつかの注意点もあります。
⚠️ 装着時に痛みがあることも
個人差がありますが、装着時に生理痛のような痛みを感じる人もいます。
⚠️ 感染症リスク
挿入後すぐの数週間は感染症のリスクが高まるため、衛生管理が大切。
⚠️ 性感染症(STI)には効果なし
IUDは性感染症を防ぐ効果はないので、パートナーが変わる場合はコンドームも併用を。
⚠️ 稀に器具がズレたり抜けたりすることがある
とてもまれですが、経血と一緒に出てしまったり、位置がずれる可能性も。
痛みってどのくらい?実際の装着の流れは?
「挿入って痛いの?」「怖い!」と感じる方も多いですよね。
💬 装着時の痛みは?
個人差が大きく、痛みをほとんど感じない人もいれば、強めの生理痛のような痛みを感じる人もいます。
- 出産経験がある人 → 痛みは少ない傾向
- 出産未経験の人 → やや痛みを感じやすい傾向
不安が強い場合は鎮痛剤を処方してもらえるので、医師に相談してみてください。
📋 装着の流れ
- 事前診察:妊娠していないか、感染症がないかなどを確認
- 装着:外来で数分程度。専用の器具で子宮内にIUDを挿入
- 経過観察:数週間後に位置の確認のため再診
IUDはいつから効果があるの?
- 銅IUD:装着直後から効果があります
- ホルモンIUD(ミレーナ):月経中に装着すればすぐに効果あり。それ以外の時期は数日待つ場合もあります。
どれくらいの費用がかかるの?
費用は医療機関によって異なりますが、以下が目安です:
- 銅IUD:2万円〜4万円
- ホルモンIUD(ミレーナ):3万円〜6万円(治療目的の場合は保険適用あり)
※取り外す時にも数千円〜1万円程度の費用がかかることがあります。
IUDはどんな人に向いているの?
IUDは次のような人に特におすすめです:
- 長期間、確実に避妊したい
- ピルを毎日飲むのが面倒・忘れがち
- 生理がつらい(月経過多、生理痛など)
- 出産を終えて避妊に切り替えたい
ただし、性感染症のリスクがある方や、子宮の形に異常がある方は使えない場合もあるので、必ず婦人科医の診察を受けましょう。
最後に:自分に合った避妊方法を選ぼう
IUDは、長期間避妊を希望する人にとって非常に効果的で便利な選択肢です。
でも、避妊方法は「これが一番」と決めつけるものではありません。体質やライフスタイル、パートナーとの関係など、いろんな要素を踏まえて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
避妊について迷ったときは、婦人科医に相談してみてください。今は「話しやすい」「相談しやすい」医師も増えてきています。
あなたの体と未来を大切にするために、正しい知識を持って、安心して自分の選択ができるようにしましょう。