相手が避妊に協力的でないときの対処法
恋人との関係が深まるにつれ、避けて通れないテーマのひとつが「避妊」についてです。ふたりの将来や健康にかかわる大切な話なのに、なぜか避けられがちだったり、話し合っても温度差を感じたりすること、ありますよね。
特に、相手が避妊に協力的でないとき――たとえば、コンドームを使いたがらない、ピルを飲むことを一方的に押しつけてくる、妊娠のリスクを軽く見ている――そんな場面に直面すると、戸惑いや怒り、不安が入り混じるのではないでしょうか。
この記事では、「相手が避妊に協力的でないときの対処法」について、やさしい言葉で、具体的な方法を交えてお伝えしていきます。
1. なぜ避妊が大切なのか、改めて考えてみよう
まず大前提として、避妊は「ふたりの問題」であり、どちらか一方が一方的に責任を負うものではありません。妊娠・出産は体に大きな負担がかかることであり、命に関わることすらあります。
避妊の目的は妊娠を防ぐことだけではありません。性感染症(STI)から身を守ること、ライフプランに沿った妊娠・出産を可能にすること、自分の身体と人生を自分で選び取るための手段でもあるのです。
2. 相手が避妊に非協力的な理由を知ろう
避妊に協力的でない人にも、実はそれぞれ理由があります。
- 「コンドームの使用感が嫌だから」
- 「ピルの副作用が心配(でもちゃんと調べていない)」
- 「避妊は女性がするものだと思っている」
- 「万が一妊娠してもなんとかなると思っている」
- 「話し合うのが気まずい」
だからといって、協力しなくていい理由にはなりません。でも、相手の考えや背景を理解することで、感情的な対立を避けて話し合う糸口が見えてくることもあります。
まずは相手の言い分に耳を傾けましょう。そのうえで、「私はこう思う」と自分の考えを落ち着いて伝えることが大切です。
3. 具体的な対処法
■ 落ち着いて、自分の気持ちを伝える
避妊に関して言いにくさを感じる人は多いです。ですが、だからこそ、あえてきちんと向き合って伝えることが大切です。
たとえばこんな言い方ができます:
- 「私にとって避妊はすごく大切なこと。安心して関係を続けたいから、ちゃんと話し合いたい」
- 「妊娠したら私の体に大きな影響がある。だからこそ一緒に考えてほしい」
「避妊=信頼関係の一部」であることを伝えましょう。感情的にならず、冷静に伝えることで、相手も受け入れやすくなります。
■ コンドームについて知識を共有する
コンドームの使用感がイヤだという人は少なくありません。でも、今は種類もたくさんあって、薄さ・素材・潤滑剤の量など工夫されている商品が多数あります。
ふたりで一緒にドラッグストアに行って選ぶ、通販でいくつか買って試してみる、そういうアプローチもあります。
また、コンドームは性感染症予防の観点でも非常に重要です。信頼関係があっても、感染歴があるとは限らないので、検査と併せて使用を習慣づけるのが理想です。
■ ピルや他の避妊法について学ぶ・話す
ピルは女性が主に使用する避妊方法ですが、パートナーと一緒に学ぶことが大切です。
「ピルって副作用が怖いんじゃないの?」と思っている人も多いですが、医師の指導のもとで正しく使えば、安全性の高い方法です。
他にも、避妊リング(IUD)や、緊急避妊薬(アフターピル)など、さまざまな選択肢があります。一緒に情報を集めて話すことで、「避妊=女性の負担」から「ふたりで選ぶ手段」へと意識が変わっていきます。
■ NOと言う勇気を持つ
相手が避妊を拒否し続けるなら、それは「あなたの心身の安全を軽んじている」とも言えます。
そういうときは、はっきりとNOを言うことも大切です。
- 「避妊に協力してくれないなら、セックスはできない」
- 「私の体と人生を尊重してくれないなら、関係を見直したい」
怖いかもしれません。でも、自分の大切さを伝える行為でもあります。自分を大事にすることで、相手もあなたを大切にする姿勢を持つようになるかもしれません。
4. どうしても分かり合えないときは?
もし、何度話しても分かり合えず、避妊についての価値観が大きくずれていると感じたら――その関係を見直す必要があるかもしれません。
パートナーシップはお互いへのリスペクトの上に成り立っています。避妊をめぐる問題は、その根底の価値観を映し出す鏡のようなものです。
「この人となら、妊娠・出産というライフイベントを一緒に乗り越えられるか」 「私の声をきちんと聞いてくれる人か」
そう自問自答してみるのもひとつの手です。
5. ひとりで抱え込まないで
避妊のこと、性のこと、パートナーとの関係のこと――誰にも相談できず、悩みをひとりで抱え込んでしまう人は少なくありません。
でも、大丈夫。いまは性に関する相談窓口やカウンセラー、オンラインのコミュニティもたくさんあります。
- 婦人科やレディースクリニックでの相談
- 性教育系のNPO団体やLINE相談
- SNSでの経験共有(匿名でもOK)
「こんなこと相談していいのかな」と思わず、まずは小さな一歩を踏み出してみてください。
まとめ
避妊は「相手まかせ」でも「自分ひとりの責任」でもなく、ふたりで向き合うものです。
相手が避妊に協力的でないときこそ、自分の気持ちや体を大切にしながら、冷静に対話を試みましょう。そして、どうしても譲れないことは、きっぱりと伝える勇気も忘れずに。
恋人との関係も、自分自身の人生も、あなたが主役です。