カップルが「レス」になる前に話し合っておきたいこと
恋人同士や夫婦の間で、いつの間にか訪れる“セックスレス”という問題。仲が悪いわけじゃないし、むしろ一緒にいる時間は楽しい。でも、気づけば夜の営みがなくなっていた……なんてこと、実は少なくありません。
セックスレス自体が悪いということではありません。二人が納得してその形を選んでいるのなら、それも一つの愛のカタチ。でも、多くのカップルが「なんとなくそうなってしまった」「片方は不満を感じているけど、言い出せない」という“すれ違い型レス”に陥っているのが現実です。
そうならないために、まだ心と体の距離が近い今のうちに、しっかり話し合っておくべきことがあります。今回は、レスになる前にカップルで確認しておきたいテーマや話し合いのコツを、親しみやすくお伝えしていきます。
1. セックスについて、どんな価値観を持っている?
「そもそもセックスって、どんな意味があると思う?」
……こんな質問、なかなか日常会話ではしないですよね。でも、意外とこの価値観の違いが、後々大きなズレになります。
たとえば、
- 愛情表現の一つとして大切にしている人
- コミュニケーションの延長と考えている人
- 正直そんなに重視していない人
など、人それぞれ。価値観に優劣はありませんが、二人の間で大きくズレていると、どちらかが我慢する関係になってしまいがちです。
価値観の違いを知っておくだけでも、「自分にとってセックスはこういうもの」と伝えるきっかけになります。
2. 頻度やタイミングについての希望を共有しよう
これは少し踏み込んだ話題ですが、とても大切。
「週に何回が理想?」「夜がいい?朝がいい?」といった具体的な希望も、なんとなく共有しておきましょう。
もちろん毎回その通りにする必要はありません。でも、お互いの理想やリズムを知っておけば、「最近ないけど、相手はどう思ってるんだろう」とモヤモヤすることも減ります。
話すのが恥ずかしい場合は、冗談っぽく聞いたり、雑誌やネットの記事をきっかけにしてみるのもアリです。
3. 忙しさや体調、ストレスとの関係も話しておこう
「最近忙しくて、そんな気分になれない……」
この言葉、言うのも聞くのも難しい。でも、正直な気持ちとしてちゃんと伝え合うことが大切です。
仕事や育児、体調不良、メンタルの不調。セックスをする気力が湧かない理由は人それぞれありますし、それは悪いことではありません。
問題なのは、伝えないこと。
相手は「もう魅力を感じていないのかも」と誤解してしまうかもしれません。だから、「最近ちょっと余裕がなくて、でも嫌いになったわけじゃないよ」と一言伝えるだけでも、関係性はぐっと楽になります。
4. 「義務感」にならないための工夫
セックスが“義務”になってしまうと、苦痛に感じてしまいます。
「しなきゃいけない」「応えなきゃいけない」というプレッシャーが強くなると、どちらかが疲れてしまうことも。
だからこそ、義務感にならない工夫が必要です。
- スキンシップだけでも十分なときがあると伝える
- 雰囲気づくりを工夫する(照明や音楽、香りなど)
- 無理にフルコースを目指さない
といった「心地よさ重視」の関係づくりがポイントです。
5. セックス以外の愛情表現も見直してみよう
「ハグやキス、手をつなぐって、最近してる?」
セックスだけが愛情の証ではありません。普段のスキンシップや言葉のやりとりに、ちゃんと愛が込められていれば、お互いに満たされることもあります。
逆に言えば、こういった“小さな愛情表現”が減っていくと、心の距離も少しずつ離れてしまうことに。
「照れくさいな」と思う気持ちは分かりますが、意識的に愛情を伝え合うことが、レスの予防につながります。
6. 価値観の変化に気づくことも大事
長く一緒にいれば、お互いの考え方や欲求も変化します。
「昔は週に2〜3回してたのに、今は月に1回で満足」 「前は積極的だったのに、最近はちょっと消極的」
こうした変化があるのは自然なこと。でも、その変化に気づかずに「前と違う!なんで?」と責めてしまうと、関係にヒビが入ってしまいます。
変化を受け入れて、今の二人にとって心地よい形を一緒に探す姿勢が大切です。
7. 「話し合うこと」を日常にしよう
ここまで「話し合うことが大切」と何度も言ってきましたが、実はこれが一番難しいことでもあります。
性の話題って、どうしても気まずさや恥ずかしさがつきまといます。でも、それを日常的に話せる関係こそ、レスになりにくい関係です。
- 真剣すぎないトーンで話す
- まずは自分から話してみる
- 相手を否定しない
こういったポイントを意識しながら、少しずつ「話せる空気」をつくっていきましょう。
おわりに:セックスの有無より、大切なこと
セックスレスは、決して“悪”ではありません。
でも、「本当はしたい」「触れ合いたい」「寂しい」と思っているのに、それを言えずに我慢してしまう状況は、二人にとって良いものではありません。
大切なのは、セックスの有無そのものよりも、「お互いにどう思っているか」「どうしたいと思っているか」をちゃんと伝え合える関係でいること。
そのためには、今のうちから「性について話すこと」に慣れておくのが一番の近道です。
恥ずかしがらずに、素直な気持ちを少しずつ言葉にしてみてくださいね。それが、これからの関係をもっと豊かにしてくれるはずです。