セックスレスが夫婦の離婚原因になるって本当?――“触れ合い”がなくなった夫婦のリアルとは
こんにちは。この記事にたどり着いたあなたは、きっとこんなことを感じたことがあるのではないでしょうか。
「最近、夫婦のスキンシップが減った気がする」
「パートナーと身体的な距離があるのに、それを話すのはなんだか気まずい」
「まさか、これって“セックスレス”?」
そして心のどこかで、「これって、もしかして離婚の原因になるの?」と不安になることもあるかもしれません。結論から言うと、セックスレスは、確かに離婚の理由のひとつになり得ます。でも、それはすぐに「終わり」だということではありません。
この記事では、セックスレスの実態や原因、夫婦関係への影響、そしてどうすれば乗り越えられるのかまでを、できるだけやさしく、具体的にお伝えしていきます。
セックスレスってそもそも何?
「セックスレス」という言葉、最近ではよく聞くようになりましたよね。でも実際には、人によって捉え方が違ったり、「どこからがレスなのか」が曖昧だったりします。
日本性科学会の定義によると、**「1ヶ月以上性交渉がなく、今後もないであろうと当事者の一方または双方が感じている状態」**をセックスレスとしています。つまり、単に回数が少ないというだけでなく、「心の距離」や「不満」も含まれるのがポイントです。
実は、日本は先進国の中でもセックスレス率が非常に高いことで知られています。ある調査では、既婚者の約半数が「セックスレス状態にある」と答えたというデータもあるほどです。
セックスレスの原因って何?
セックスレスにはさまざまな原因があります。一つ一つ見ていくと、どれも「なるほど、そういうことあるよね」と思えるような、身近なものばかりです。
1. 仕事や育児の疲れ
毎日忙しいと、夜にはもうクタクタ。「寝るのが先」「休みたい」が優先になってしまいます。子どもが生まれてからまったくなくなった、という夫婦も少なくありません。
2. 心のすれ違い
喧嘩や言い合いが続いたり、何となく気持ちが冷めてしまったり。日常の小さなイライラが積もって、「触れ合いたい」という気持ちが薄れていくことがあります。
3. コミュニケーション不足
性の話って、意外としづらいですよね。恥ずかしかったり、相手を傷つけたくなかったりして、本音を話せないまま時間が経ってしまうことも。
4. 健康上の理由や加齢
体調不良やホルモンバランスの変化、ED(勃起不全)など、身体的な要因も大きく関係します。年齢を重ねることで性欲が減退することもあります。
5. 性的嗜好や価値観のズレ
お互いの求めるものが違っていたり、性的な興味関心にズレがある場合、それが大きなストレスになることもあります。
セックスレスがもたらす夫婦関係への影響
では、実際にセックスレスが続くと、夫婦関係にはどんな影響があるのでしょうか?
● 心の距離が広がる
セックスは単なる行為ではなく、パートナーとの「心の触れ合い」のひとつ。これがなくなることで、「自分は大切にされていない」と感じたり、孤独感を覚える人も多いです。
● 浮気や不倫につながることも
もちろんすべての人がそうなるわけではありませんが、性欲や寂しさを外に向けてしまう人がいるのも事実です。夫婦関係が冷え込むきっかけになりかねません。
● 自尊心の低下
セックスレスによって「自分に魅力がないのでは?」と悩む人も少なくありません。これは女性にも男性にも共通する苦しみです。
離婚理由としての「セックスレス」
さて、本題です。
実際に、セックスレスは離婚原因になり得るのでしょうか?
答えは「YES」です。
家庭裁判所の統計によれば、離婚調停での理由として「性生活の不一致」や「性的拒否」が挙げられることは少なくありません。また、離婚理由に明記されなくても、「心のすれ違い」や「価値観の違い」の裏にはセックスレスが潜んでいるケースも多いのです。
とくに一方が「性的な関係を大事にしたい」と考えていて、もう一方がそれを拒み続けると、「人として拒絶された」と感じてしまい、関係の修復が難しくなることも。
でも、「話し合う」ことからしか始まらない
とはいえ、セックスレス=すぐに離婚というわけではありません。
むしろ、セックスレスというのは**「夫婦の問題が表に出ているサイン」**とも言えます。そこをどう向き合うかが大切です。
● 恥ずかしくても、まずは話してみる
「最近、ちょっと距離を感じるけど、どう思ってる?」
「触れ合う時間が減って、さみしいな」
こんなふうに、自分の気持ちを正直に伝えることが第一歩。相手を責めるのではなく、「自分はどう感じているか」を主語にするのがポイントです。
● 生活スタイルを見直してみる
寝室が別だったり、子どもと一緒に寝ていたり、疲れが溜まりやすい生活をしていないか。意外とちょっとした習慣の改善で、関係に変化があることも。
● カウンセリングを利用する
どうしても話し合いが難しい場合、第三者の力を借りるのも一つの方法です。夫婦カウンセリングや、性に関する専門カウンセラーもいます。
「セックス」だけがすべてじゃない。でも「ない」ままでいいとも限らない
ここまで読んで、「やっぱりうちはセックスレスかも」と感じた方もいるかもしれません。けれど大切なのは、「レス状態=悪い」と決めつけないことです。
大切なのは、お互いが納得しているかどうか。
もしどちらか一方でも「不満」や「寂しさ」を感じているのなら、それは話し合うべきタイミングなのかもしれません。
まとめ:セックスレスは「終わり」ではなく「きっかけ」にできる
セックスレスが原因で離婚に至るケースは確かにあります。けれど、それは「身体が離れたから」ではなく、「心の距離が埋められなかった」から。
逆にいえば、きちんと向き合って、お互いの声に耳を傾けることができれば、関係を深めるチャンスにもなるのです。
今、少しでも「パートナーとの距離」を感じているなら、ぜひ一度、ゆっくり向き合う時間を取ってみてください。そこから始まる会話が、未来のふたりの関係を変えるかもしれません。